第四回東京MTGヴィンテージオープン 決勝戦カバレッジ
カバレッジを取る旨を快く承諾して下さいましたタカノ様、イトウ様、誠にありがとうございました。

先日開催いたしました第四回東京MTGヴィンテージオープン( http://tokyomtg.diarynote.jp/201412011321564322/ )の決勝戦の模様をカバレッジにてお送りいたします。


Final タカノ(発掘) vs イトウ(RU Delver)


 22名のヴィンテージプレイヤー達の頂点を決める第四回東京MTGヴィンテージオープンもいよいよ残す所1試合のみとなった。即ち、優勝決定戦である。多くのプレイヤーに囲まれながらデッキをシャッフルしている二人についてここで軽く触れておこう。

 タカノは予選ラウンドを4連勝からのIDで通過し、準決勝で対峙したオノデラのUR Delverをも打ち倒しここまでで駆け上がってきた「無敗のDredge使い」である。

 マリガンパウダーこと《血清の粉末/Serum Powder》をメインから全力で投入し、幾度と無くマリガンを繰り返し続けて「1ターン目セット《Bazaar of Baghdad》」を追い求める価値がヴィンテージのDredgeにはあり、その強烈な爆発力に魅せられたヴィンテージプレイヤー達は決して少なくはない。その中の一人であるタカノは、今までの戦いで見事にその価値を証明してきたのだ。

 少々緊張した表情で神妙にデッキをシャッフルするタカノ。一方、その向かい側に座るイトウは幾分かリラックスした表情を見せている様である。それもその筈、彼は過去3回のヴィンテージオープン「全て」で決勝のテーブルまで辿り着いているというのだ。まさに歴戦の兵、今回を含めて4大会中4度目の決勝戦というのだから驚きである。

 「まあ、全部準優勝だったんですけどね」と悔しそうにぼやくイトウ。四回目の今回こそは優勝したい、そんなシルバーコレクターのイトウが使用しているデッキはタルキール覇王譚、もとい《宝船の巡航/Treasure Cruise》によって強化されたUR Delverである。

 軽く強烈なクロック、多彩な青のカウンター呪文、それを支える優良ドローカード達。《秘密を掘り下げる者/Delver of Secrets》が4枚使えるありとあらゆるフォーマットを席巻している、言わば王者のデッキとでも言うべきか。

 関東ヴィンテージ界隈の仲間達が見守る中、試合前にお互いの健闘を願っての握手を交わし、頂点の座を賭けた戦いが今、始まった。



G1 タカノ先手

 「勝つには6回位マリガンさせないとなー」とカットをしながらぼやくイトウ。健闘を願っての握手とはなんだったのか、と言いたくなるもそれもその筈。強烈な墓地対策カードをプレイされない限り、基本的にDredgeデッキはメインボード戦では無敵なのだ。しかもUR Delverデッキではサイドボードを経ても尚その相性差は完全には埋まる事はない。嘆きたくなるのも仕方があるまい。……準決勝で同じくDredgeを使用したエビサワと戦った時はどうしたのか、と聞いてみると「マリガンパウダーで《戦慄の復活/Dread Return》を全て消し飛ばしたのと、必殺の6マリガン砲でなんとかしてきました」と頼もしいのか頼もしくないのかいまいち分からないアピール。

 イトウは祈りながらカットしたデッキを手渡すも、無情にもタカノは《血清の粉末/Serum Powder》による擬似マリガンを経由してからの7枚キープ。当然の如く1t目に《Bazaar of Baghdad》をセットし、めくるめく発掘ワールドを開始する。

 イトウは《Ancestral Recall》をキャストし活路を見出そうとするも、デッキトップには土地が三枚鎮座しており早くもGG臭が漂うがそのままゲームは続けられていく。タカノは発掘しつつ《Bazaar of Baghdad》の二枚目をセットし、そぞろに《ナルコメーバ/Narcomoeba》と《恐血鬼/Bloodghast》を並べていく。《ナルコメーバ/Narcomoeba》二枚目が戦場に着地する前に申し訳程度に《Fire // Ice》をキャストするも、自身の場にクリーチャーはおらず、火に焼かれた生物達は《黄泉からの橋/Bridge from Below》によって2/2ゾンビへと姿を変え、寧ろ逞しさを増していく。

 結局そのままデッキを殆ど掘りつくしたタカノは墓地というリソースをしゃぶり尽くした上で、夥しい数のバンパイアとゾンビによってイトウを蹂躙していった。



G2 イトウ先手

 四度目の準優勝は回避したい、と奮起するイトウは先手1t目檻という理想のスタートを切る。

 しかし「無敗のDredge」を駆るタカノは再び《血清の粉末/Serum Powder》を経由してからの7枚キープを成し遂げ、《Bazaar of Baghdad》をセットする立ち上がりとなった。《Bazaar of Baghdad》がタカノの手札を循環させていき、《墓掘りの檻/Grafdigger’s Cage》への1枚目の《自然の要求/Nature’s Claim》は《精神的つまづき/Mental Misstep》によって弾かれるも次のターンに放った2枚目の《自然の要求/Nature’s Claim》は通る。

 セットランドによって《恐血鬼/Bloodghast》が盤面に再び舞い戻り、《Bazaar of Baghdad》と《臭い草のインプ/Stinkweed Imp》によって墓地が瞬く間に肥えていく。《ナルコメーバ/Narcomoeba》2枚が湧き出し、《恐血鬼/Bloodghast》をコストに《陰謀団式療法/Cabal Therapy》をキャストしてゾンビ2体を場に追加する。イトウも《陰謀団式療法/Cabal Therapy》自体は《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage》からの《精神的つまづき/Mental Misstep》フラッシュバックで凌ぐものの盤面は一方的にタカノが制圧している状態だ。

 返しのターンで《秘密を掘り下げる者/Delver of Secrets》キャストと共に《鋳塊かじり/Ingot Chewer》を想起し、自分の墓地にクリーチャーが落ちた事によって《黄泉からの橋/Bridge from Below》を二枚リムーブすることには成功するものの、返しのターンの発掘で更に墓地の勢力は勢いを増すばかり。

 しかしここでイトウのドローは《噴出/Gush》!「悪くないな」と呟くや否や土地二枚からマナを出して《噴出/Gush》キャスト、更にそこから墓地を7枚追放して《宝船の巡航/Treasure Cruise》を放ち、引き当てた二枚目の《墓掘りの檻/Grafdigger’s Cage》をキャストしてこれ以上墓地からの軍勢の拡大を防ごうとする。

 タカノは檻には構わず盤面で勢いよく殴りつけ、《恐血鬼/Bloodghast》に対するイトウの稲妻を《精神的つまづき/Mental Misstep》で弾き残りライフを残り6点まで追い詰める。

 なんとか盤面の脅威を排除したいイトウは、《定業/Preordain》で《Force of Will》と《精神的つまづき/Mental Misstep》といった盤面に干渉出来ない等を下に送り、解決策を探しに行ったイトウのドローは……値千金の《残響する真実/Echoing Truth》!

 タカノの次のアタックを《秘密を掘り下げる者/Delver of Secrets》と《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage》によるブロックで凌ぎ、返しのターンにゾンビトークンに打てばなんとか盤面をフラットに出来、また檻によって墓地から《イチョリッド/Ichorid》や《恐血鬼/Bloodghast》が舞い戻るのも防げている。

 しかし、そんなイトウに無情にも突きつけられるのは三枚目の《自然の要求/Nature’s Claim》!檻が自然へと還り、返すタカノのドローステップが終わると再び盤面に湧き出したゾンビ、ホラー、吸血鬼といった魑魅魍魎の群れが一斉にイトウに襲い掛かり、全てのライフを貪り尽くしていった。



第四回東京MTGヴィンテージオープンの優勝はタカノヤスヒロ!

コメント

お気に入り日記の更新

日記内を検索